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複数の分子の読み込み

さらに,他の分子を読み込んでみます(PDBファイルの読み込み参照). ここでは例としてグルタミルtRNA合成酵素とtRNA(Glu)複合体の結晶構造を用いています (PDBID: 1G59). オブジェクト名は1G59に,Rendererはtraceにします.

gui_step4_1g59.png

"trace"レンダラーでは,デフォルトでは上図のように蛋白質だとCA(α位炭素)原子, 核酸だとP(リン酸基のリン)原子のみが直線でつながれて,表示されます.

Scene, Object, Renderer, View

以下の説明では,Scene, Object, Renderer, Viewという概念が頻出するので, ここで説明しておきます.

Object
分子座標や電子密度,表面電荷などの,データ的なものに対応する.CueMol2中に存在しても画面(View)上には直接現れてこない.
Renderer
上記のObjectを画面(View)に表示する役割を持つ*1.1つのObjectには複数のRendererを接続でき,1つの分子データもさまざまなかたち(たとえばRibbonとBallstick等)で表示可能となる.画面(View)上に直接現れてくるのは,このRendererのみである.
Scene
オブジェクトが複数集まったもので,1つのシーンを構成するもの.CueMol2では,図のように1つのアプリの中で,複数のシーンを読み込んで操作することができるが,各Sceneは独立しており,お互い干渉することはない(ObjectやRendererをScene間で移動することはできない).
View
アプリ上の画面に出てきている部分に相当する.1つのView中には,接続している1つのシーンの中のRendererのみが表示される.また,1つのシーンには複数のビューを接続できる.
scene_concept_small2.png

以上の図のように,シーンは,複数の分子などのオブジェクトと,それらに接続されているレンダラーを含む全体をあらわすものと捉えてもらえばよいと思います. 複数Sceneや複数Viewを扱う方法などは後で出てきます.

"シーン"パネル

現在CueMol上に読み込まれているオブジェクトの一覧は, シーン(Scene) パネルに表示されています.

scene_panel1.png

Sceneパネル,中央部分には図のようにツリー状の一覧表示があります.

  • 一覧中の,最上位にはシーンの名前(後述)が表示されています.
  • また,最下位にはCameraという項目がありますが,これも後述.
  • 中央部分のツリー表示には,CueMol中に読み込まれているオブジェクト(分子等)と, それに接続されているレンダラー(表示)が階層状に表示されています.

名前の左の三角をクリックすると,そのオブジェクトに接続されているレンダラーが非表示になったり,展開されて表示されたりします.

"Name"カラムにはオブジェクトやレンダラーの名前が表示されています.
さらに,名前の横の括弧中には,オブジェクトやレンダラーのタイプが表示されています.例えば,

  • シーン「Untitled 1」中には,lysozymeと1G59という2つのオブジェクトがある.
    • オブジェクト1G59のタイプはMolCoord (分子座標)である.
    • 1G59には,2つのレンダラーが接続されている(trace1と名無し)
      • レンダラーtrace1のタイプは,trace (主鎖トレース表示)である.
      • 名無しのレンダラーは,タイプが*selectionである.

ということになります.
上述のように,レンダラーが名無しの場合は括弧とタイプだけ表示されます.
ちなみに,上記の*selectionタイプを持つ名無しレンダラーは,選択部分をハイライト表示するためのレンダラーで,分子を読み込むと勝手に作られます.

表示・非表示とロック

ツリー表示の横のカラム(Vカラム)に目玉印がありますが, これをクリックするとそのレンダラーの表示・非表示が交互に変化します. オブジェクトのばあいは,そのオブジェクトに接続している全レンダラーが表示・非表示されます.

scene_panel_locked1.png

さらにその隣には,最上部にLと書かれたカラムがありますが, これをクリックするとその項目のロック・非ロック状態が交互に変化します. ロックされている項目には,上図のように鍵アイコンが表示されます. ロックされているレンダラーは,クリックなどに反応しなくなります. オブジェクトのばあいは,そのオブジェクトに接続している全レンダラーがロックされます.

上図では,lysozymeオブジェクトがロックされた状態になっています.この状態では,lysozymeに接続したレンダラーすべてがクリックに反応しなくなります.

オブジェクトの削除

次に,Sceneパネルで"1G59"を選択した状態にして, 下のscene_delbtn2.pngボタンをクリックすると そのオブジェクトが削除されます.

CueMol2では,削除したものは完全に消えてしまうわけではありません. 削除に関してそれほど神経質になる必要は無いでしょう. 間違って消してしまった場合は,メニューEdit→Undo (あるいはツールバーのtoolbar_undobtn1.pngボタン) で取り戻すことが出来ます.

シーン背景色の変更

scene_panel_bgcolor1.png

SceneパネルのScene名の部分を右クリックしてコンテキストメニューを表示させ, 図のようにBackground colorから色を選択することで,背景色を変更できます*2

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*1 言葉的には表示やRepresentationの方が適切かもしれないが,いきさつ上こういう名前になってしまっている
*2 この方法では白と黒しか選べませんが,Sceneのプロパティーダイアログからは任意の色に変更できます.ただ白黒以外に変更するケースはあまりないと思いますが...

Last-modified: Sun, 27 Feb 2011 19:07:46 JST (4806d)